大阪市下水道科学館

イベントレポートEVENT

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公開:2023.04.11 12:49 | 更新: 2023.04.17 11:34

海老江下水処理場 新施設見学会―イベントレポート(2023年4月4日)

イメージ画像イメージ画像

開催日:2023年4月4日

当館の隣にある海老江下水処理場では、既存の1系、2系に加え、現在新たに3系水処理施設の工事が進んでいます。
このような新設工事は頻繁にあるものではなく、この貴重な機会にみなさまにぜひ実際に見て、最新の下水処理について知っていただきたいという思いで見学会を開催しました。
3月には大人の方を対象に開催し、大変好評でした。
今回は春休み期間中のため小学4年生以上を対象にしたところ、申込受付開始後2日間で満席になるほど大人気。午前、午後と2回開催しました。

集合
下水道科学館からスタート

大人はもちろん、小学生の親子で参加もしていただき、幅広い年代で一緒に見ることができる見学会に。
最初は新しい水処理施設の事業を請け負う企業の方々にお話を聞きました。

大成建設株式会社様からは、工事や海老江下水処理場の全体像についてご説明いただきました。
見学するのはどんなところか、下水処理場はどうやってつくっているのか、みなさん興味深々の様子です。
現場の様子を迫力あるきれいな画像で見せていただき、施設や機械の規模の大きさが伝わってきました。
上空から撮影した映像で、工事の全容がイメージできました。

大成建設様
大成建設様から概要と工事についてのお話

次にメタウォーター株式会社様から、下水処理についてのお話です。
見学する施設では最先端の処理方式を採用していて、大阪市は先進的な取り組みをしているとお話いただきました。(詳しくは前回レポートをご覧ください)
今回はお子さんにも分かりやすいように、下水処理には微生物が活躍していることを写真を使いながら解説いただきました。

メタウォーター様
メタウォーター様から水処理のお話

見学場所のイメージができたところでみんなでヘルメットをかぶっていよいよ出発です!歩いて約2~3分ほどの近さです。

処理場到着
新水処理施設に到着!

まずは新しい建物の屋上に上がりました。とても広く開けた場所で、こちらは処理場の運転が始まると屋上を一般開放する予定です。

屋上
一般開放されるのが楽しみな広さです

そして今回は大成建設様がドローンを用意して撮影してくださいました!

ドローン登場
ドローン登場!
ドローンからの撮影
自由自在に操縦されていました
記念撮影1
ドローンからの~
記念撮影2
記念撮影!

続いて地下にある水処理施設へ移動します。

さっき説明を聞いた高速ろ過装置や反応槽などが実際に配置される場所や規模を見ていただきました。

説明
実際に水処理が行われる場所を解説

現場では参加者さまからもご質問が活発に飛んでいました。処理された水は自然勾配で流れることに驚いている方も。

「将来このような設計に携わりたい場合はどういう学科に進んだらいいか」など、現場のお仕事にも興味を持ってくださったようです。

処理施設記念撮影
一般の方はなかなか入れない場所です

続いて直径約15m、深さ約25mの発進立坑を降ります。

立坑
初めての体験にドキドキ

3月はこちらには入れなかったので、到達立坑というところから降りていただきました。今回はそれよりも直径も大きく、迫力があります。

階段をぐるぐると降りていくとひんやりした空気に。

立坑内階段
下から見上げた写真。深さを感じます。

そして、奥まで続くシールドトンネルにたどり着きました。

シールドトンネル
なんか、かっこいい!

トンネルの中に大きな2つの管が左右にあり見た目にも特別な場所で、お子さんたちの足取りも軽く、ワクワクが伝わってきました。

シールドトンネル内
気になることがいっぱい!

トンネル内では足元から頭上まで 様々なものに興味を持ってたくさん質問してくれました。

水はポンプ棟から高低差を利用した自然流下で送られているため、高く見える方に向かって流れているとのこと。不思議ですね。

足元にもいろんな管が。それぞれに役割があるんだね。

午後の回は時間に余裕があったので、さらに奥の到達立坑付近まで歩きました。

大成建設様に、たどり着いた先にある数枚の色が違う壁についてお話しいただきました。

こちらの壁には鉄を生成する時の高炉スラグを使用した素材が使われていて、これによりコンクリート製造時にCO2ガスの排出を大幅に削減しているとのことです。

実際の建造物に使われるのは、ここが国内初。水処理方式同様、企業の最先端の技術を採用しています。

環境配慮型素材
環境配慮型の素材を採用

見たい聞きたいことは尽きませんが、来た道を引き返して館に戻りました。
シールドマシンの組み立て迫力ある映像を見ながら、少し休憩して質疑応答の時間です。
「シールドマシンって何で動いているんですか?」
「下水処理に使う微生物はどこから採取してくるの?」
「1系、2系、3系、処理性能はどのくらい?」
など、みなさまからさまざまなご質問いただき、それぞれの担当がお答えしました。

質問
興味深いご質問ばかりでした

このようにたくさんのことを見て、知っていただき見学会は終了しました。

参加いただいたみなさまからは
・面白くて説明もわかりやすかった。
・大変貴重な機会をありがとうございました。
・下水処理のしくみが良く分かった。
・下水は汚く目をそらしたくなってしまう場所でしたが、とてもハイテクで丁寧な場所と知りました。
・すごい技術や働いている方々そのまま見せていただけて、子供にとっていい体験となり、これからに生かしてもらえたら嬉しい。
・掘るのにも時間がかかるのが分かりました。がんばってください!
などのご感想をいただきました。

みなさまに下水処理について考えたり、理解を深めていただくきっかけになれば幸いです。

また、工事の現場を見たり働いている人を見ることができてよかった、お子さんにとっても良い経験になったというという声もいただきました。

大変有意義な見学会になりました。ありがとうございました。

記念撮影シールド1
いつかこの体験を思い出してくれたらうれしいな
記念撮影シールド2
おつかれさまでした!