公開:2023.04.27 05:39 | 更新: 2023.04.28 02:35
(開催日:2023年4月22日、4月25日)
当館で毎月お届けしている「みずから考える上映会」、4月の上映作品は『大海原のソングライン』を選定しました。
約5000年前、文字が普及する前の時代、太平洋には海を渡る人々がいて彼らは音楽で交流していました。
本作品は3年間に渡りその航路をたどり、16の島国に残る伝統的な音楽やパフォーマンスを記録した貴重な映像です。
上映会の会場は割と音響が良い方だと思いますが、それが生かせた回になりました。
参加者の皆さまと一緒に見ましたが、ただ単に古くから伝わる音楽を紹介しているというだけではなく、いい意味で期待を裏切られるような作品でした。
今回の映画は曲自体はもちろんサウンドも素晴らしく、映像もスタイリッシュで、参加者さまからも音楽が心地よかった、エネルギーが沸いたという感想が多かったです。
登場する各民族の歌い手、演奏者は母国に息づく音楽を奏でることに誇りと情熱を持っていてパワフルでした。
自然の中で生き生きと演奏しているからこそ、私たちの便利なくらしによりその笑顔を壊してはいけないな、と感じさせてくれる映画でした。
・このままでは2050年には海に漂うプラスチックが魚の総量を超えてしまう
・私たち人間が使える淡水は地球上の水の1%に過ぎない
など、ところどころに差し込まれる自然の尊さと、私たち現代人への警鐘と感じさせられるメッセージが響きます。
いただいた感想の一部です。
・心地よい音楽で人々がつながっている。
・温暖化でこの地球が消滅することのないようにと思います。
・楽器が海の漂流物でできているのを知って驚いた。
・自然の偉大さ、海、川のすばらしさを再認識できました。
・私たち人間は生物の中では小さな集団なのに、自然に大きな影響を与えていることしっかり考える必要がある。
・音楽は人の気持ちをやさしくする。環境問題を考えていくきっかけにもなりました。
学びがあった良い映画だったので、周りの人にも伝えたい。
・自然物からできたものから現れる音楽は心地よい。歌が想像以上に良かった。
・なんでもネットで調べればすぐにわかる現代。未知の大海原に出ていく古代の人たちの冒険心はすごい。
・歌でつながっていき、楽器も渡ったところで独自に変化し民族もそれぞれに環境対応している、人間を含めて自然がすごい。
・自分の欲を捨てられた程度に環境は良くなると思う。
など深い感想もあり、参加者さまの言葉から私たちも気づくことが多かったです。
何度も見たくなるすばらしい音楽と、人間と自然との関り方を改めて感じ、考えさせられる良い映画でした。