公開:2023.07.31 03:16 | 更新: 2023.07.31 06:16
(開催日:2023年7月23日)
肉眼で見ることはできないけれど、確かに存在しているミクロ生物。実は下水処理でも活躍しています。今回のイベントは小学1年生~中学3年生を対象に、『おもしろミクロ生物の世界』著者の末友靖隆(すえともやすたか)博士にお越しいただき、ミクロ生物について、下水処理場での活躍を中心にお話いただきました。
いろんな場所に存在していて、砂粒よりも小さいミクロ生物の世界は、顕微鏡を使わないと見ることができない程小さいです。しかし、本当は巨大な広がりを持っています。
イベントでは特別に、下水処理場で生じた汚泥と瀬戸内海で採取した海水の、ミクロ生物の生態を見ることができました!
この2つの水から調査したミクロ生物を顕微鏡でのぞき、スケッチしました。
会場の画面に映し出された、ミクロ生物の世界をみた子どもたちは、「ぴょんぴょんしてる」「大きい!」「可愛い」と言葉にしていました。
多様なミクロ生物を末友博士が丁寧に説明してくれました。「汚れた水をそのまま流してしまうと、海が汚れて魚が食べられなくなって、私たち人間にも影響が出てしまいます。下水処理にかかわるミクロ生物たちは、水の汚れを食べてキレイにしてくれています。」
「顕微鏡は同じ場所を10秒くらい見続けると、生物を見つけやすいです」
末友博士からの大事なポイントを教えていただきました。スケッチする時もしっかりと見続けるとミクロ生物の輪郭が見えてきて、特徴をつかみやすくなります。
「ナベカブリは、ベレー帽のような形をしていて、普通の水槽にもいますよ」
「アメーバは、ナメクジタイプとカタツムリタイプがいて、髪の毛1本分くらいの大きさです。中と外で2層構造になっています」
「ツリガネムシは、水の汚れを食べてくれます。食べるものがなくなって環境が悪くなると、柄の部分を切り離して泳ぎまわります。そして柄の部分はまた生えてきます」
「ウミサボテンは、虫のような生き物でプカプカ漂っていて、引っかかった生き物を食べる釣り名人です」
「ツノケイソウは、体の表面がガラスのように固くなっています」
「ケンミジンコは、魚からみたらごちそうです。なので魚から逃げるために泳ぐのが早くて、25mプールを2~3秒で泳ぎます」
などなど、もっとじっくり聞いてみたいお話が続々と語られました。
講義の最後は、実際に顕微鏡をのぞいてミクロ生物を観察できる時間を設けてくださいました。
とても素早く動いていたり、手足がもそもそ動いていたり、子どもたちも興奮気味でした。また、保護者の方の関心も高く、顕微鏡をのぞいた後に末友博士に質問されているかたもいらっしゃいました。
子どもたちからは「いろいろな生物がいて、とても楽しかったです」「普段めったに聞くことができない貴重な話をたくさん聞けて良かったです」「こんなに小さい生き物を普通では見れないけど、見れてよかった」「あぁやって、ミクロの生物をじっくり見ることで、いろいろな発見があって楽しかったです」と様々な意見を聞くことができました。
最後に子どもたちの描いてくれたスケッチの一例をご紹介します。
皆よく観察出来ていて、とても上手にスケッチを描いてくれていました。10秒見続けて、発見したものや経験はとても素晴らしい学びです。
大阪市下水道科学館では、8月27日まで企画展「愛らしいミクロ生物の世界-小さくても凄い奴ら-」を開催しております。末友博士の著作の本も会場に設置しておりますので、ミクロ生物についてもっと知りたい方はぜひお越しください。ご来館お待ちしております。