公開:2023.08.08 05:09 | 更新: 2023.08.08 12:13
(開催日:2023年7月29日、8月5日)
スーパーでちりめんじゃこを購入した時に、小さなエビやタコが入っていた経験がある方は多いのではないでしょうか。今回は、ちりめんじゃこと一緒に入っている生き物を探し、図鑑を見ながら種類を特定したり、特徴を調べるイベント「チリメンモンスターをさがせ!」を開催しました。
海の生物多様性を感じていただくことを目的としていて、楽しく学べて夏休みの自由研究にもぴったりということで、申込受付開始から早いペースでどんどん予約が埋まっていくほどでした。
イベントの導入部分では、チリメンモンスターの説明を行いました。
「ちりめんじゃこはなんていう魚か知ってる?」と聞くと「カタクチイワシ」と答えてくれたお子さんがいました。正解!
「チリメンモンスター(略して:チリモン)」はきしわだ自然資料館、きしわだ自然友の会さん、によって名づけられ、ちりめんじゃこの中にいるカタクチイワシ以外の生き物のことを指します。
チリモンさがしは海の生き物や環境のことを学ぶことができる体験活動として実施されていて、今回きしわだ自然資料館にコンタクトしてみたところ、快く当館での実施を承諾いただきました。
早速1人一皿、チリモン入りちりめんじゃこを配っていきます。
みんなちりめんじゃこが届くとすぐに夢中になってチリモンを探し始めました。
おなじみのタコやイカだけじゃなく、すごく長細かったり触角があったり。同じような魚類でも、顔が丸かったり顎が受け口だったりと、よく観察するとそれぞれ特徴が違うことが分かります。
タツノオトシゴやタチウオ、ムシみたいなウオノエ、半透明で長いアナゴ・ハモのなかまのレプトケファルス幼生なども見つかりました。
お渡ししたチリモン図鑑を見たり、載っていないものはWEBチリモン図鑑で調べてもらいました。
会場のPCでWEB図鑑を調べられるようにしたところ、珍しい種類を発見したお子さんが次々と来て、一緒に調べました。みんな、わからない生き物を最後まで調べる熱意がすごかったです。
軟体動物?節足動物?魚類?縦じまがある、斑点がある、赤色が入ってる...などなど、特徴を選んで検索します。
こちらのサイトでは一般の人が見つけたチリモンを投稿して、専門家の方が後日特定していくようになっていて、ここで特徴が同じものが見つかれば、今日見つけたチリモンが何の仲間かが特定できます。
チリモンを探した後は、お気に入りのチリモンを8個選んで、台紙に貼ります。
名前や特徴など調べて分かったことを書いたらオリジナル図鑑の完成!
ほんのひとすくいのちりめんじゃこの中にもこれだけたくさんの生き物がいることを知ったので、残りの時間では「○○の里海」と題して、チリモンを使って絵を描いてもらいました。
「海の中のどんなところにいたのか」「チリモン同士の関係は?」なんて考えながら、チリモンが生きていた時の様子を浮かべて、好きなだけチリモンを貼ってもらいます。
最後は自分自身も絵に登場させて、生物多様性を表す絵が完成です。
今回はこちらから魚のことをレクチャーするのではなく、みんなが良く観察して特徴を見つけ、図鑑で種類を特定する、分類する、ということをしてもらいましたが、参加してくれたお子さんたちは、もう本当に集中して夢中で調べてくれました。
「これは何?」「こんなの見つかった!新種?」と見せに来てくれる人も多く、一緒に図鑑を調べながら生き物を特定する時は「ここが違う」「もっと顎がとがっている」などの意見を出しながら妥協せずに最後まで探していました。
「チリモンさがし、めちゃくちゃ面白かった!」「こんなにたくさんの魚が一緒にいるなんて知らなかった」など、良い感想をたくさんいただきました。
出来上がった作品と残ったチリモンは、袋に入れて大切に持って帰っていただきました。おうちでも続きをしてみてね。
「宿題だから」ではなく、思わず夢中に調べているみんなの好奇心や探求心が素晴らしかったです。
これをきっかけに、水環境や生き物に興味を持ってもらえたら嬉しいです。今度海に行った時には、そこにはたくさんの生き物が暮らしていることを思い出してみてね。