公開:2023.09.04 10:37 | 更新: 2023.09.07 12:23
(開催日:2023年8月27日)
今年の夏はイベントが盛りだくさんでした。いよいよ、8月最終のイベントのレポートです。
最後の日曜日は、水・環境のプロであるメタウォーター株式会社のみなさんにお越しいただき、水処理のお話や、パネルを使った水循環のお話しをしていただきました。
今年3月、4月に、当館のすぐ隣にある海老江下水処理場の新水処理施設の工事現場の見学会を開催したのですが、その水処理を担うメタウォーター様にご出演いただきました。(レポートはこちら)
わかりやすく下水処理方法についてお話されるのを聞き、このお話こそ当館に来られる方々にお伝えしなくてはいけないことだと感じました。
そこで、夏休みの期間にぜひお子様たちにお話ししていただきたいとお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
予約制の講座『下水ってどうやってきれいにしているの?』のお申込は満席に。みなさんやはりプロにお話を聞きたいものです。
導入として『水ってすごく貴重な資源』というお話から。
「使えるお水は、地球上で1%もない」と聞いて、改めて大切にしないと、と感じますね。
だから使ったお水はきれいにして、自然に返します。そのために下水道や下水処理場があります。
次に、『もし下水道がなかったらどうなるの?』
まず思い浮かぶのは街が汚くなる、病気が流行する。これは本当に困りますね。
下水道がなかった時代のヨーロッパのお話など、お子様も興味をもてる内容を織り交ぜながら、教えてくださいました。
そして海や川にも影響があります。スライドに映る汚れた海の状態は何と呼ぶかと問いかけたところ、「赤潮(あかしお)」と答えられたお子様も。
下水がきちんと処理されずに海に流れて、水中のプランクトンが大量に発生してしまうことが原因だそうです。そうなると水中の酸素が薄くなり他の生物が生きていけなくなるとのこと。自然界はバランスが大切ですね。汚れた水が流れ込むことでそのバランスが壊れてしまうんですね。
下水処理の大切さを知ったところで、下水がきれいになるしくみを教えてもらいました。
下水はたくさんの工程を経て順番に少しずつきれいになるんだ、とわかりました。中でも「反応槽」と呼ばれる場所が重要。ここでは平均約80種類もの微生物が汚れを食べて水をきれいにしてるんですって!
最後に新しい海老江下水処理場で取り入れる、最新の水処理方法のお話を聞きました。
大きな違いは、下水処理の最初の工程で2時間くらいかかっていたところが10分~20分くらいでできるようになったとのこと。思わず「早!」という声も。
「高速ろ過システム+MBR(膜分離活性汚泥法)」と「A2O法」という方式を併用することで下水をスピーディーに処理できます。このハイブリッド方式の導入は日本で初めてとのこと。大雨が降っても下水をきちんときれいにできて、自然界を守ることができるそうです。
最近は一昔前とは雨の降り方が違うとおっしゃっていたことに納得。ゲリラ豪雨などに対応できるようになるのは非常に心強いですね。
下水道や下水処理場がなぜあるのか、どうやって水をきれいにしているのか、しっかり学んでくれたみんな。下水処理にはたくさんの技術が使われていて、その技術も新しくなっていることもわかりましたね。
みんなの感想の一部をご紹介します。
●知らなかったことを知れて面白かった。
●下水道がなかったらどうなるか教えてもらった。
●下水処理場のしくみが良く分かった。
●水がどこから来てどこに行くのか勉強になった。
●水の大切さを感じた。
などなど、みなさん学ぶ姿勢がすばらしかったです。
最後にメタウォーター様からは、海のゴミでつくったというエコバッグをプレゼント。素敵なデザインで環境にも優しいバッグでした。
【1階会場では、『水遊びをして水循環のことを知ろう』を開催!】
この日、1階会場では終日メタウォーター様がパネルを使った水循環のお話をしてくださいました。
1組ずつご説明。まずは1人が一日に使う水の量を2リットルのペットボトルに置き換えたパネルです。
これには皆さんびっくり!家族じゃなくて、一人です。
隣のコーナーでは、そのお水はいったいどこから来てどこへ行くのかという水の循環のお話。
参加者さま毎にお住まいの地域をお聞きし、その地域の処理場のお話をされていました。そうすることで、自分に関わる水のことと実感できますね。
ではきれいになったお水で遊ぼう!ということで、最後はスーパーボールすくいをしました。
みんな、これには夢中!とっても楽しそうに遊んでいました。中には20個以上取っている名人も。
こんな風にして、メタウォーター様のイベントで館内は1日中賑やかになりました。
誰もが使う「水」について、普段考えることが少ない大切なことを、改めて考えられる機会になったと思います。
ご参加いただいたみなさま、メタウォーターのみなさま、ありがとうございました!